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ミネラル :: 体内の調整に働く微量元素

 ミネラルは、細胞や骨、体液の中に存在し、つねにその間を行き来しながら体の機能や生命を維持し、調整する大切な役割を担っています。ビタミン同様、体内では合成できませんので外からの摂取が必要です。

 ミネラルは単独で働くだけでなく、互いにバランスをとり合い、またビタミンと一緒に摂ることで、よりパワーを発揮します。最近の研究で、体にストレスがかかると、体内のミネラルが減少することが明らかになりました。体調がすぐれない、イライラが続くというような時には、ミネラル不足の傾向にありますので、意識的に補給するようにしましょう。

微量ながらも重要なパワーを秘めたミネラル

 私たちの体は、酸素、炭素、水素、窒素が体重の約96%を占めています。残りの約4%が数10種類の元素からなり、これらをまとめてミネラルと呼んでいます。体重60㎏の方なら2~3㎏分がミネラルということになります。ビタミンと同じように、体内ではつくられず、食べ物から摂取しています。体内では、細胞や体液、骨の中に存在し、常にその間を行き来しながら、体の機能や生命を維持・調節しています。

ストレスによっても不足するミネラル

 従来、極端に片寄った食生活をしていなければ、ミネラル不足は考えられないことでした。大半のミネラルは通常の食生活をしていれば賄える量だったのです。ところが、ストレス社会、食生活の変化などから日本人の多くが、ミネラル不足ぎみになっていることが、最近になって報告されるようになりました。

 個々のミネラルが不足すると、さまざまな症状があらわれてきます。たとえば、カルシウムは骨や歯を形成するだけでなく、筋肉を動かしたり、神経の興奮を鎮めるなど重要な働きをしているのですが、この生理作用を維持するために、体内でカルシウムが不足すると、その貯蔵庫である骨からカルシウムを供給します。その結果、骨がスカスカになってしまう骨粗鬆症が心配されます。

 また、鉄が不足すると血液中の酸素運搬役であるヘモグロビンがうまく形成できないことから、鉄欠乏性貧血を招く恐れがあることなどは、よく知られています。

 同様に、マグネシウムとカルシウム、そして亜鉛も精神的なストレスなどによって多量に排泄されてしまい、体内で不足すると、疲労感がなかなかとれないなどの症状があらわれるのです。

ミネラルはバランスが大切

 ミネラルは単独で働くだけでなく、マグネシウムとカルシウム、リンとカルシウムなどが互いにバランスを取り合いながら働いています。またビタミンと連動してよりそのパワーを発揮します。たとえば「亜鉛の吸収を高めるにはビタミンC、E、A」や、「鉄はビタミンCと一緒にとると吸収がよい」などといわれています。

主なミネラルの種類と特徴
  栄養素等
表示基準値
特徴 多く含む食品 欠乏症
カルシウム 700mg 骨や歯の組織をつくる。血液の凝固作用に関係。心筋の収縮作用を増す。神経の正常な機能に関係。浸透圧や体温調節に働く。白血球の食菌作用を促す。鉄の代謝を助ける。 えんどう、凍り豆腐、油揚げ、切り干し大根、ほしひじき、ごま、モロヘイヤ、小松菜、牛乳、ヨーグルト、チーズ、めざし、しらす干し、さくらえび、わかさぎ、あゆ 骨や歯がもろくなって、神経過敏に。
マグネシウム 250mg エネルギー代謝を活発にする。腎臓でのカルシウム代謝を円滑にする。心臓の動きを活発にする。神経の興奮性を鎮める。血液が固まるのを防ぐ作用。体温や血圧の調整。 大豆、アーモンド、ごま、玄米、さくらえび、あさり、きんめだい、かき、はまぐり、ししゃも 神経が興奮しやすくなる。疲れやすくなる。
7.5mg ヘモグロビンの成分として酸素を運搬する。細胞の呼吸作用に関与。貯蔵鉄として肝臓や脾臓に蓄えられる。栄養素の燃焼に欠かせない。 レバー(豚・鶏)、しじみ、卵黄、あかがい、ほしひじき、切り干し大根 貧血。疲れやすく体全体の機能が低下する。
亜 鉛 7.0mg 多くの酵素の働きに関与。核酸・たんぱく質の合成に働き細胞の活性化や増殖を促す。中枢神経の形成と機能維持に関与。ホルモンの作用とも密接な関係にある。 凍り豆腐、切り干し大根、あわび、かき、するめ、鶏肉、卵黄 発育不全。皮膚障害。味覚が乱れることも。
セレン 23μg 過酸化脂質や過酸化水素を無害化する酵素の補酵素。このため細胞の酸化を防ぎ、生活習慣病やガンの予防、老化を遅らせる役目の一翼に。甲状腺ホルモンの生成にも不可欠。 魚・肉の他、小麦胚芽、玄米、ねぎ、にんにく 心筋壊死、心機能障害、筋肉障害
ヨウ素 90μg 甲状腺ホルモンの生成を担って、身体の新陳代謝活発化、三大栄養素の代謝、呼吸促進、心拍数増加など甲状腺ホルモンの機能をサポ-ト。 昆布、わかめなど海藻類、魚介類 甲状腺腫、甲状腺機能障害
0.6mg 鉄とヘモグロビンを結び付けて貧血を予防。コラーゲンの体内生成も担い、骨づくりや美肌づくりをサポート。髪や皮膚の色の形成、中枢神経の正常化にも関与。 牛の肝臓、貝類、エビ、カニ、豆類 メンケス病、貧血、脳障害、骨粗しょう症
マンガン 3.5mg 三大栄養素をエネルギーに変える酵素をサポート。骨や関節の結合組織づくりも助け、子どもの発育を守る。不足で性ホルモンの合成能力や妊娠能力も低下、という指摘もある。 お茶の葉(食べる場合)、種子類、穀類、豆類 髪の変色、爪の変形、低コレステロール血症、関節障害、生殖機能の低下
モリブデン 17μg 肝臓や腎臓で解毒などに役立つ酵素の活性化に不可欠なミネラル。糖質や脂質をエネルギーに変える。鉄の作用をサポートし、貧血予防にも役立つ。 牛乳、乳製品、豆類・小麦胚芽、牛レバー 尿酸代謝障害、貧血、疲労

●栄養素等表示基準値は、厚生労働省が策定した「日本人の食事摂取基準」(2005年版)に示された数値を年齢階級毎の人口を加味して平均したものです。「日本人の食事摂取基準」(2005年版)は、性・年齢によって細かく分類されているため、食品に関する表示を行う際に用いる基準値として設定されています。

●単位1g=1000mg 1mg=1000μg(マイクログラム)

健康パワーブック 2006年4月発行

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