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ボケずに長生きするために…脳の老化を防ぐ熱い注目を浴びているイチョウ葉エキス

健康コラム(YL vol 07)
老化は、血液から始まり、脳が衰える

年をとっても健康でいきいきと活力に満ち溢れた生活を送りたいものです。しかし、老化は着実にやってきます。白髪やシワ、シミだけでなく、血管や血液にも老化は起こっています。血管壁にも汚れ(コレステロール)がたまり、血流が悪くなったり、血管がもろくなったりします。これが動脈硬化です。

さらに、暴飲暴食、喫煙、過労など体にストレスを与えるような生活を続けていると、血液中に老廃物がたまり動脈硬化を早めてしまうのです。

動脈硬化は老化現象の一部ですが、その進行が早まるととても危険です。とくに、脳梗塞には注意しましょう。脳の重さは全体重の40分の1ですが、脳へ供給される血液量は全身の血流の約8分の1にもなります。脳の血管は他の臓器に比べて大量の血液を必要としているのです。脳の血管に十分な酸素や栄養が得られないと、脳の働きが衰えてきます。

老化に伴う健忘症と病的な痴呆症との違いは、脳の血管がいかに健康な状態であるかにかかっています。

年配の方に注目を浴びている「イチョウ葉エキス」

「どこに鍵を置いたんだったっけ」
「何を取りにこの部屋に入ったのかな」
「昨日の晩ごはんは何だったかしら」

最近、どうも物忘れが多くなったみたい……。年をとって物忘れが激しくなったような気がすると、認知症ではないかと心配になります。

晩ごはんに何を食べたか、その内容を忘れてしまうのは誰にでもある物忘れです。いま晩ごはんを食べたということ自体を忘れてしまうのが認知症です。食事の後に「まだ食べてない」と言い張るようになり、症状が進むと「食べていない」と言ったこと自体を忘れてしまったり、隣近所に「うちの嫁は食事をさせてくれないから何か食べ物をくれ」と言うようになったりします。ボケずに長生きしたい、認知症になって家族に迷惑をかけたくないという年配の人たちにイチョウ葉エキスが熱い注目を浴びています。臨床試験により、認知症患者の記憶、注意力の低下の改善が認められているハーブ素材で、ドイツやフランスなどでは認知症治療薬として医療現場でも使われています。(1)

認知症も実は、早期発見、早期の適切な治療が大切!
グラフ:家族が気がついた、始まりのころの認知症の症状

日本は長寿国ですが、ただ長生きできればいいかというと、ボケずに元気に長生きしたいというのが誰もの願いでしょう。平均寿命が延びるに伴い、認知症を患う人が増加しています。現在、認知症高齢者の数は200万人ともいわれていますが、2015年には250万人、2025年には323万人以上になると推測されています。85歳以上の人の25~35%が認知症を患うというデータもあります。(2)

少し前までは、認知症を治す手立てはほとんどなく、いったんなってしまったら治らない病気と思われていましたが、実は高血圧症、糖尿病などの生活習慣病と同じように早期発見、早期の適切な治療が大切な病気であることがわかりました。

認知症は急に、いま食事をしたこと、風呂に入ったことを忘れるようになったり、家族が誰だかわからなくなったり、暴力をふるったり、排泄物をまき散らしたり、徘徊したりといった症状が現れるわけではありません。認知症患者は一日のうちでも記憶も行動もちゃんとしている時間、分からなくなってしまう時間があります。久しぶりに訪ねてきた親戚と会話を楽しみ、「おばあちゃん、以前と変わらず元気ね」と思われても、しばらくすると、「私は親戚に会っていない」と覚えていなかったりするのです。良い時期、悪い時期を繰り返しながら、だんだん悪化していきます。認知症の初期に現われる兆候を見逃さないこと、認知症の進行を遅延させることが大切です。

そうした認知症患者の認知力低下の進行を遅らせる可能性があるものとして、イチョウ葉エキスが期待されています。


イチョウ葉エキスの様々な有効成分

イチョウ葉エキスは1960年代にドイツで開発され、ドイツ、フランス、イタリア、スイスなど50カ国以上で認知症治療など医薬品として使われています。

数多くの学術論文があり、脳血管循環の改善効果のある安全な素材であることが報告されています。

有効成分としては、30種類以上のフラボノイド(狭くなった血管を広げる、傷んだ血管を修復するなどの働きがある)、イチョウ葉特有のギンコライド(抹消血流を改善する、血小版の凝集を抑制する、活性酸素の発生を予防する働きがある)、ビロバイド(記憶力を向上する、脳神経保護するなどの働きがある)などがあり、脳内の血管を拡張して血行をよくし、記憶中枢の細胞に活力を与え、記憶低下といった加齢に伴う症状の予防と改善に役立つものであることがわかっています。(3)(4)

イチョウ葉エキスの臨床試験

●軽度〜重度の認知患者者202名にイチョウ葉エキスを1日20mg、52週間与えた結果、患者の認知力がプラセボ群に対して改善し、行動指標も向上した。
〈参考文献〉Le Bars PL, Katz MM, Berman N, et al: A placebo -contolled, double- blind, randomized trial of an extract of Ginkgo biloba for dementia; North American EGb Study Group. JAMA 278: 1327-1332, 1997

●軽度〜中等度認知症患者156名にイチョウ葉エキスを1日240mg、24週間与えた結果、プラセボ群に対し神経変性病変の有意な症状改善効果が認められた。
〈参考文献〉Kanowski S, Herrmann WM, Stephan K, et al: Proof of efficacy of the ginkgo biloba special extract EGb 761 in outpatiennts sffering from mild to moderate primary degenerative dementia of the Alzheimer type or multi -infarct dementia. Pharmacopsychiatry 29:47 -56,1996

●認知症患者309名(アルツハイマー病236名、血管性認知症73名)にイチョウ葉エキスを1日120mg、52週間与えた結果、認知力がブラセボ群に比べ有意な改善がみられた。認知力はADAS-cog(アルツハイマー病評価尺度認知機能検査)により評価した。

イチョウ葉エキスの臨床試験

では、イチョウ葉を拾って煎じて飲めばいいかというと、そうではありません。雑誌などでイチョウ葉茶の作り方が載っていることがありますが、国立健康・栄養研究所は、「イチョウ葉を集めてきて、自分でお茶を作って飲むというのは、多量のギンコール酸(かぶれなどの皮膚炎を引き起こす)が含まれると予想されるので勧められない」としています。

参考資料:
(1)Ernst, E. Pittler, M. H.., Clin. Drug Invest 17, 301-308,1999
(2)平成19年版 厚生労働白書
(3)Kleijnen, J., Knipschild, Lancet 340, 1136-39,1992
(4)WeiB, H. , kallischnigg, G. , MMW, 10, 138-142,1991

イチョウ葉エキスに含まれる成分

イチョウ葉のイメージ
ギンコライド

イチョウ葉特有の成分であるギンコライドA・B・Cには、血小板の凝集(集り固まる)を抑制する働きがあり、脳や末梢神経の血流障害を防ぐことが明らかにされています。つまり、脳細胞が脳梗塞により死滅するのを防ぐ働きがあるというわけです。活性酵素の発生を抑えるギンコライドBは、フラボノイドの中のフラボンとフラボノールとの相乗効果でアルツハイマー型痴呆症に有効だと考えられています。

フラボノイド

植物に含まれる天然の色素成分で、紫外線による細胞の破壊を防いでいます。特にイチョウ葉にはフラボノイドが2つ結合した二重フラボンと呼ばれる良質で特殊な色素が含まれています。これらには活性酵素の害を除去する作用があり、活性酵素が深く関わっているアルツハイマー型痴呆症や動脈硬化への効果が期待されます。また、血栓のもととなる血小板の活性因子を抑え、脳の血流をスムーズにします。

ビロバライド

痴呆症などの記憶障害に効果を発揮するというデータの出ているイチョウ葉特有の成分です。中枢神経の痙攣を抑える働きを持つことが明らかにされています。一般に痙攣は、脳の電気的活動の異常により起こるとされていますが、それが激しいと脳の神経細胞が死滅に至ります。痙攣を抑えることから、脳神経を保護する働きがあるものと考えられているのです。また、機能が低下した脳のシナプスを刺激し情報を伝わりやすくしたり、うつ病の治療に役立つものとしても注目されています。

イチョウの木とは

イチョウの木は「生きた化石」といわれます。
イチョウの木が地球上に誕生したのは、2億5千年も前のこと。その時代には大気中にはオゾン層がなく、紫外線が地球に直接ふりそそいでいました。約2億年前のジュラ紀には恐竜類やアンモナイト類が栄え、イチョウの木も15種類ほど存在していたといわれます。6千年前の氷河期や大規模な地殻変動でほとんどの生物が死滅してしまいましたが、1種類のイチョウだけが残りました。イチョウの木は長寿で生命力が極めて強い、とても希な植物なのです。

ボケになりやすいのは、次のような人です。

1.油っこいものをよく食べる人

脂肪分の多い食事に偏るとコレステロール値、中性脂肪値が高くなり、脳血管性痴呆症になりやすくなります。

2.塩辛いものが好きな人

塩分を摂りすぎると血圧が上がり、脳血管障害が起こりやすくなります。

3.柔らかいものばかり食べる人

食べ物をよく噛むという動作は、脳に刺激を与えます。

4.性格が頑固で社交的でない人

「頑固」「わがまま」「社交的でない」性格の人が、ボケになりやすいという調査結果が出ています。

5.煙草をよく吸う人

煙草のニコチンは、瞬時に血管を収縮させ、動脈硬化の原因となります。

財団法人ぼけ予防協会が選定した「ぼけ予防10カ条」

①塩分と動物性脂肪を控えたバランスのよい食事を
②適度に運動を行い足腰を丈夫に
③深酒とタバコをやめ規則正しい生活を
④生活習慣病(高血圧、肥満)の予防、早期発見、治療を
⑤転倒に気をつけよう。頭の打撲はボケを招く
⑥興味と好奇心を持つように
⑦考えをまとめ表現する習慣を
⑧こまやかな気配りをしたよい付き合いを
⑨いつも若々しくおしゃれ心を忘れずに
⑩くよくよしないで明るい気分で生活を

脳の老化を防いで、ボケない生活を

ボケとは脳の老化現象。日本人のボケの約半分が脳の血管障害(脳動脈硬化)により起こる脳血管性痴呆症で、50~60歳くらいから多く 見られるようになります。脳動脈硬化は、後遺症が残るなど完治が難しい脳卒中の発作の引き金となります。脳の老化を防ぐイチョウ葉エキスを摂り、ボケになりにくい生活を心がけましょう。

YL Vol.07 2011.2.10発行
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