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糖尿病

元気アップ講座(パトス vol 5)

糖尿病患者は平均寿命が10年も短い!?

糖尿病はインスリンの作用低下・不足で起こる代謝異常

 糖尿病は、その名称から尿に糖が混じる病気と思われがちですが、正確には血液中のブドウ糖が異常に多くなる状態(高血糖)が続く病気です。昔から「糖尿病の人の尿は甘く、蟻が群がる」などといわれてきましたが、糖尿病になると血液中のブドウ糖が異常に増え、血糖値を下げるインスリンというホルモンの分泌が追いつかなくなったり、分泌は十分でも働きが低下していて作用不足になっている場合に、尿中にも糖が出てしまうのです。

 私たちが身体を動かしたり、活動するためにはエネルギー源としてブドウ糖が必要ですが、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)は高すぎても低すぎても、身体を正常に活動させることができません。健康な人は、血糖値が上昇すれば血糖値を下げるホルモンが分泌され、血糖値が下がれば血糖値を上げるホルモンが分泌されます。それで、食事をして一時的に血液中の糖が多くなっても、また1日くらい何も食べなくても、血糖値を一定の範囲に保つことができるのです。

 血糖値を上昇させるホルモンは、アドレナリン、グルカゴン、コルチゾールなど何種類かありますが、血糖値を下げるホルモンはインスリン1つだけです。血液中の糖分を細胞内に取り込んでエネルギーにかえるインスリンは、常に膵臓から分泌されていますが、食後など血糖値が上がると、それに刺激されて分泌量が増え、血糖値を正常の状態に戻します。しかし、糖尿病の人は、インスリンの分泌量が少ないか、またはインスリンの働きが低下しているため、体内に入った糖分を細胞が取り込めず、だぶついた糖分が血液中にたまり、血管が砂糖づけの状態になります。飴を食べるとき、片方のほっぺに入れたまま、しばらくしゃぶっていて、ほっぺの内側の粘膜が砂糖の浸透圧で白くざらざらと荒れた状態になった経験をしたことがあるでしょう。糖尿病にかかった人の血管もこれと同じ状態で、血管の壁は糖によりぼろぼろになってしまっています。


症状が現れたときには手遅れ。だから予防が肝心。

 糖尿病人口の増加は、社会的にも問題になっています。いまや亡国病ともいわれる糖尿病。患者数は690万人、予備軍を含めると1370万人にものぼるとされます。40年前には患者数は20万人前後といわれていたのですから、驚異的な増加です。予備軍とは、現段階では糖尿病と診断されていないものの、このまま現在のような生活を続けていると、将来糖尿病になる可能性が強い人のことを指します。発症の最も多い年代は40歳代以上。40歳以上の10人に1人が糖尿病にかかっているといわれます。

 糖尿病は発症しても何の自覚症状も現れず、気づかぬうちに進行していきます。そして、一度かかると決して完治せず、食事制限やインスリン注射など一生、社会生活の上で大きな負担を抱えることになります。また、病状が進行すると合併症を併発し、心筋梗塞や腎不全など死にいたる病を引き起こすケースも少なくありません。糖尿病患者は男性で10歳、女性で15歳も平均寿命が短いとのデータもあります。

 現代人は、過食、運動不足、ストレスなど糖尿病の要因に囲まれて暮らしているといっても過言ではありません。それに、知らぬ間にしのびよってくる病気ですから、かからないためには何より予防に努めることが肝心になります。

 最近の研究により食事と一緒に摂るだけで糖尿病予防に効果があることが実証された新素材「0・19小麦アルブミン」に熱い期待が寄せられています。

糖尿病が恐ろしい病気といわれるワケ

1. 初期には自覚症状がなく、気づいたときには手遅れ。

 糖尿病は肥満のように外観では認識できず、初期段階においては自覚症状もほとんどありません。

 健康診断などで糖尿病であることを指摘されても、「こんなに元気なのに、病気であるはずがない」「ガンなどのように恐い病気ではないし、まだ大丈夫」と放っておきがちです。しかし、放置しているうちにも、病状はゆっくりですが確実に進行していきます。かなりたってから、あわてて病院へ駆け込む人が少なくありませんが、糖尿病は自覚症状が現れた頃には相当に悪化しています。合併症を起こしてしまっていたりと、その進行がくいとめられず、命を落とすことにもなりかねません。

2. 1度なってしまうと、もう決して治らない。

  糖尿病は発見しにくいだけでなく、1度かかってしまったら決して完治しないやっかいな病気です。自覚症状が現れないまま進行していきますが、身体がわずかなサインを発することもありますので、見逃さないようにしましょう。早期発見し、治療を始めれば、進行がくいとめられ、合併症の危険も少なくなります。

糖尿病のサイン

  • ●やたら喉が渇き、水が飲みたくなる
  • ●トイレに行く回数が増え、尿量も多い
  • ●身体がだるく、疲れやすい
  • ●お腹がすいてしかたがない
  • ●食欲があるのに痩せてきた
  • ●むしょうに甘いものが食べたくなる
  • ●尿の臭いが甘く感じられる
3. さまざまな合併症で、死にいたることも。

 糖尿病はその病気だけで命を落とすことは少ないのですが(高血糖により昏睡状態に陥ることがある)、放っておくと合併症を併発し、それが原因で死にいたる可能性が非常に高くなります。

 糖尿病患者の死因でもっとも多いのは血管障害で約4割を占めます。高血糖になると、血管に糖がこびりつき、血管障害を引き起こしやすくなるのです。脳、心臓、腎臓、眼球など、毛細血管が集中している器官が侵されていきます。糖尿病による動脈硬化で、脳溢血や心筋梗塞に襲われ、突然死という結果を招くケースも少なくありません。

 血管障害の次に死因として多いのがガン。糖尿病末期になると、4人に1人はガンによって命を落としています。その原因として糖尿病になると免疫力が低下することが考えられています。

 また、糖尿病になると、体内に侵入する細菌やウイルスに対抗する抵抗力が弱まり、肺炎、膀胱炎、皮膚炎、歯肉炎などの感染症にかかりやすくなります。

 糖尿病を放置しておくことで併発するさまざまな合併症の中で、三大合併症と呼ばれるのは、神経障害、網膜症、腎症です。

三大合併症

糖尿病性神経障害

 末梢神経がおかされ、足に眠れないほどの痛みが襲ったり、手足がピリピリとしびれたり、顔面神経麻痺が生じたりします。また、自律神経障害により、立ちくらみ、発汗異常、下痢・便秘、膀胱障害、胃の不調、インポテンツなどの症状が現れます。神経障害が進行すると、しびれや痛みを感じなくなり、壊疽になり四肢を切断しなければならなくなることもあります。

糖尿病性網膜症

 成人の失明原因の第1位は、糖尿病性網膜症です。糖尿病によって毎年3千人もの人が失明しています。高血糖が続くと、網膜にはりめぐらされている毛細血管が壊れたり、血液がつまったりしてしまい、視力が落ちる、物が歪んで見えるようになる、白内障を起こしやすくなる、眼底出血が起きるなどにつながります。

糖尿病性腎症

 年間に約1万人が、糖尿病による腎症が原因で人口透析の導入を余儀なくされています。高血糖が続き、腎臓の毛細血管がもろくなると、腎臓の機能は低下していき、血液中の老廃物が多くなって尿毒症になり、だるさやむくみ、吐き気、貧血などの症状が現れ、人口透析しなければならなくなります。

糖尿病になりやすいのはこんな人

思い当たる項目はいくつありますか?
次のような人は、糖尿病予備軍といえます。できる限り予防に努めることが必要でしょう。

1. 身内に糖尿病の人がいる

 生まれつきインスリンを作り出す膵臓の機能が弱い体質、インスリンに対抗するホルモンが強い体質など、糖尿病にかかりやすい体質は遺伝します。両親や兄弟、祖父母など近い親戚に糖尿病の人がいる場合、年をとるとともに糖尿病にかかる確率が高くなるので、十分に予防することが必要です。

2. 太っている

 太っている人は糖尿病にかかりやすく、20代の頃の体重よりも6キロ以上太っていたら要注意です。特に下半身に脂肪がついている皮下脂肪型肥満よりも、腹部に脂肪が沈着している内臓脂肪型肥満がよくありません。内臓に脂肪がたまると、インスリンの働きが悪くなります。ウエストのサイズをヒップのサイズで割った数値が0.85以上の人は、糖尿病のリスク大。体重のコントロールを心がけましょう。

3. お腹いっぱい食べないと気がすまない

 食べ過ぎが続くと、膵臓に負担がかかり、インスリンの分泌が悪くなったり、インスリン自体がうまく機能しなくなったりして、血液中に糖がたまり、糖尿病を引き起こすことに。特に、脂肪の摂りすぎは肥満の原因となるだけでなく、インスリンの働きを妨げてしまうので問題です。遺伝的な素因がなくても過食を繰り返している人は、糖尿病予備軍といえます。中高年になると、運動量が低下するので、若い頃と同じような食生活を続けていると確実に太ります。

4. ストレスを感じる

 過度なストレスは、糖尿病を誘発することに。職場や家庭での忙しさや人間関係の悩みなど、精神的・肉体的ストレスを感じると、脳下垂体からホルモンが過剰に分泌されます。このホルモンは、インスリンの働きを妨げ、血糖の上昇を促します。また、ストレスから逃れるため暴飲暴食に走りがちで、肥満を招くことにもなります。

5. 飲酒の量が多い

 お酒は適量であれば、気分をリラックスさせ、ストレスを解消する効果がありますが、アルコールにはインスリンの作用を弱める働きがあります。また、アルコールは食欲を増進させるため、つい肴を食べ過ぎ、肥満のもとに。

6. 運動不足だ

 ここ50年で糖尿病患者はうなぎのぼりに増えていますが、これにあわせるように車の保有台数が増加を続けています。出かけるときは車、休日は家でごろ寝…身体を動かさないでいると、筋肉の細胞にブドウ糖を取り込んでエネルギーとして消費する必要がないので、血液中のブドウ糖は脂肪に変わり、肥満を招きます。また、運動不足はインスリンの働きそのものも悪化させます。適度な運動を習慣にすることは、肥満解消だけでなく、ストレス解消にも役立ちます。

7. 年齢が40歳以上だ

 年齢が高くなるほど、全身の機能が衰えていきます。インスリンを分泌する膵臓の働きも弱くなっていき、血糖値が上がりやすくなります。糖尿病の発症が多い年代は、40歳代以上です。

8. 4000グラム以上の子供を産んだことがある

 妊娠をすると、糖尿病にかかりやすい体質の人は、血糖値が上がりやすくなり、母体の血糖値が上がると、お腹の赤ちゃんの血糖値も上がり、赤ちゃんは大きくなります。それで、4000グラム以上の巨大児が産まれることがあります。巨大児を産んだ経験のある人は、妊娠中に高血糖になっていた可能性があるので要注意です。


糖尿病Q&A

Q.糖尿病は太っている人しかならない病気?

A.確かに、糖尿病患者には太っている人が多く、肥満は糖尿病の誘因の1つです。しかし、太っている人だけが糖尿病にかかるというわけではありません。外見はあまり太っていなくても、内臓に脂肪がたまっている人は、糖尿病にかかりやすいので、注意が必要です。また、糖尿病は進行すると、しっかり食べていてもどんどん痩せていきます。

Q.糖尿病は遺伝病なので、身内に患者がいなければかからない?

A.身内に糖尿病の人がいないから、自分はかかる心配はないと考えないでください。確かに、糖尿病にかかりやすい体質は遺伝するので、両親や兄弟、祖父母など身内に患者がいる人は糖尿病にかかる確立が高いといえます。しかし、糖尿病家系ではなくても、過食、肥満、運動不足、ストレスなどが誘因となって、糖尿病になる可能性はあります。

Q.糖尿病が心配なら、麺類を食べるときは、蕎麦よりスパゲッティのほうがよい?

A.スパゲッティと蕎麦を同じ量食べたとき、蕎麦と比べてスパゲッティのほうが血糖値が上昇しにくいことがわかっています。ご飯やパン、蕎麦などの炭水化物の中で、スパゲッティはもっともゆっくり吸収されます。これは、スパゲッティに使われる硬質小麦粉のセモリナが持つ特質で、咀嚼回数(噛む回数)が多くなります。野菜、魚介類を合わせ、オリーブオイルを適量使って調理すると、栄養バランス、腹持ちのよい一品となります。

Q.ハマチやトロなど油の多い魚は、糖尿病の敵だから食べないほうがよい?

A.そんなことはありません。魚の油に多く含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)は、中性脂肪を減らし、コレステロールを下げます。糖尿病により引き起こしやすい動脈硬化の予防に役立つのです。また、DHA、EPAは、体脂肪になりにくいこともわかっています。肉食中心から魚中心のメニューに切り替えましょう。

緊急リポート

糖尿病予防効果に熱い期待が寄せられる新素材「0.19小麦アルブミン」

 最近の研究により、小麦の中の水溶性タンパク質である「0.19小麦アルブミン」という成分に、食後の血糖値の上昇を抑制する効果があることが発見され、一躍脚光を浴びている。長期摂取の安全性が実証済みの新素材「0.19小麦アルブミン」が配合された商品の登場は、手軽に副作用なしに血糖値をコントロールしたいという糖尿病患者及び予備軍にとって朗報だ。

 0.19小麦アルブミンは食事の前に摂取することで、食後の血糖値の上昇を緩和することができる。それは、0.19小麦アルブミンはデンプンを分解する酵素アミラーゼの働きを抑え、デンプンの吸収を緩やかにする作用を持つからだ。誰でも食後は血糖値が一時的に上昇するのだが、特に過食や高カロリー食の摂取は血糖値の上昇を急激にする。それでも、健康な人は膵臓からインスリンが分泌され、食後3時間位で血糖値は元に戻る。しかし、糖尿病の人は急上昇した血糖値がなかなか正常値に戻らない。高血糖が続くと、さまざまな合併症を引き起こすことになる。食前に0.19小麦アルブミンを摂っておけば、食後の血糖値の急上昇を抑えることができるので、膵臓からのインスリンの分泌が少なくてもすむ。つまり、食事制限しているのと同じような状況をつくりだすことができるというわけだ。

 さらに、0.19小麦アルブミンは糖尿病の本当の恐ろしさであるさまざまな合併症の併発を防ぐ働きを持つことも明らかになっている。糖尿病の進行状態を調べる指標となっているグリコヘモグロビンA1 c(HbA1 c)は、7%以下(正常値は4.3~5.8%)であれば合併症の併発を妨げられるという研究結果が報告されている。軽症糖尿病患者を対象とした実験により、長期にわたり0.19小麦アルブミンを摂取し続けると、HbA1 c値が7%以下にまで下がるという結果が出ている。

0.19小麦アルブミン摂取時の食後血糖値と血中インスリン濃度

 健康な男性12名を対象とした実験では、560キロカロリーの食事と一緒に125ミリグラムの0.19小麦アルブミンを一緒に摂取したグループは、食事のみのグループより、食後約30分に測定した血糖値及び血中インスリン濃度のピークは明らかに低く抑えられるという結果が得られた。


パトス Vol.5 2000.9.10発行
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