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食物繊維をたっぷり摂って健康で若々しい体を手に入れよう!
〜メタボ対策に注目の健康素材サイリウムとは〜

元気アップ講座(パトス vol 55)

2008年4月、特定健康診査・特定保健指導、通称メタボ健診が始まりました。健診でメタボリック・シンドロームあるいは予備軍と言われた人も少なくないでしょう。日本人の中高年のメタボリック・シンドロームは予備軍も含めると1960万人にのぼると推定されています。
「たかが中年太りでお腹がでっぷりしてきたくらいのこと」などとあなどってはいけません。「ベルトの穴が増えると寿命が縮まる」といいますが、内臓脂肪たっぷりメタボリック・シンドロームの人は、心筋梗塞、脳卒中など死にいたる疾病になりやすい危険を抱えているのです。内臓脂肪を撃退しメタボから脱出したい人は、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維を含み、優れた整腸作用、コレステロール低下作用のある健康素材サイリウムを役立てるといいでしょう。

内蔵脂肪は万病のもと

昨年、厚生労働省が発表したメタボリック・シンドロームに関する調査(2006年に実施された国民健康・栄養調査)により、40〜74歳の男性の2人に1人、女性の5人に1人が、メタボリック・シンドロームかその予備軍であることが明らかにされました。

メタボリック・シンドロームは直訳すると「代謝症候群」、日本では「内臓脂肪症候群」といいます。私たちの体に貯まる脂肪には、皮膚の下に貯まる皮下脂肪と内臓と腸間膜の周りに貯まる内臓脂肪があります。中でも危険なのは内臓脂肪です。内臓の脂肪量が多いと、糖や脂肪の代謝障害が起こり、動脈硬化が進行し、さまざまな慢性疾患を誘発することになるのです。

おへその周囲を測り、男性で85cm以上、女性で90cm以上の場合、内臓脂肪型肥満である疑いが高いとされています。また、おへその周りについた贅肉を親指と人差指でつまんでみましょう。たっぷりつまめるようならお腹に皮下脂肪、パンパンにはっていてつまめないなら内臓脂肪が多いと思われます。空腹時に仰向けに寝てお腹をぐっとへこませたとき、内臓脂肪が多い人はあまりへこみません。

日本人はメタボになりやすい

内臓脂肪は細胞分裂ができないため、太ると一つの細胞がどんどん大きく膨らんでいきます。大型化した内臓脂肪細胞は、アディポネクチンという物質の分泌量を減らします。このアディポネクチンとは、糖代謝を促進する、血管を拡張して血圧の上昇を抑える、動脈硬化を予防する働きがある物質です。つまり、内臓脂肪の細胞が大きくなると、アディポネクチンが減少し、メタボリック・シンドロームが進行するというわけです。また、レプチンというホルモンの働きが弱まります。これは食欲をコントロールさせる物質です。食べても食べても満腹感を得られなくなり、過食になり、メタボリック・シンドロームを進行させます。さらに、大型化した内臓脂肪細胞は、 TNF-αというインスリンの働きを弱くして糖尿病や脂質異常症を誘発する物質、アンジオテンシノーゲンという血圧を上昇させる物質、PAI-1という動脈硬化を進行させる物質の分泌を増やします。

太るとメタボリック・シンドロームになりやすい遺伝子というものがあります。日本人の94%がアディポネクチンの分泌が減りやすい遺伝子、つまりメタボリック・シンドロームになりやすい遺伝子を持っているといわれます。

食物繊維たっぷりでメタボ対策

なぜ、内臓脂肪が貯まるのでしょう。その理由として、食べ過ぎ、運動不足などがあげられます。戦後、日本人の食生活は大きく変わりました。動物性脂肪の摂取量が増加し、食物繊維の摂取量が減少しています。

日本肥満学会の「肥満・肥満症の指導マニュアル」によると、肥満の人は1日あたり30gの食物繊維を摂取することが推奨されています。しかし、日本人の食物繊維の平均摂取量は14〜15g。現代人は深刻な食物繊維不足に陥っているのです。

食物繊維不足が、便秘の原因となることは周知の事実です。腸に老廃物が滞ると、インドールやスカトール、アンモニアなどの有害物質が発生し、血液を通って全身に回っていきます。その結果、肌荒れ、体臭、頭痛、肩凝り、だるさなどが起こります。

便通を整え腸の健康を保ち、過食を抑えメタボリック・シンドロームから脱出するために、食物繊維をしっかり摂りましょう。食物繊維には水に溶ける水溶性食物繊維と水に溶けない不溶性食物繊維がありますが、腸の健康のためには、その両方を摂ったほうがいいといわれます。便のかさを増やす働きのある不溶性食物繊維だけでは便が硬くなり、逆に便秘を招くことに。そこで注目されるのが、サイリウムです。

サイリウムとはオオバコの種子で、水溶性食物繊維、不溶性食物繊維の両方を含みます。便のかさを増やし、便をほどよく柔らかくして、気持ちの良い排便を促します。また、コレステロール値の高い人に有効なものであることも明らかになっています。サイリウムは飲みやすく効果が現われやすいことからロングセラーとなっている健康素材。純度の高いものを選び、摂るときには水分を多めに飲みましょう。


サイリウム
オオバコの一種であるプランタゴ・オバタという植物の種皮。水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方を含む。特異な流動性、保水性があり、整腸作用、血糖値抑制作用、血中脂質調整作用などを持つ。

静岡大学農学部応用生物化学科教授 食物繊維学会常務理事
医学博士 森田 達也 先生

メタボリック・シンドローム対策に食物繊維が注目されている。
お腹でっぷりの肥満の人が、糖分、脂分たっぷりのものを食べるのは危険。

―現在、どのような食物繊維の研究が進められているのでしょうか。

森田 食物繊維の研究は2000年代に入ってからは停滞気味になってきました。私が常務理事を務める食物繊維学会では、研究の新しい方向性を見いだそうとしているところです。メタボリック・シンドロームが話題になっている今、食物繊維の研究は再度、日の目を見るようになるでしょう。

―メタボリック・シンドローム対策に食物繊維が。

森田 メタボリック・シンドロームとは、わかりやすく言えばお腹でっぷりの肥満。カロリー制限ができればいいわけですが、飽食の時代、食事を制限する、減らすという概念は出てこないし、実行するのは難しい。そこで見直されてきているのが、食物繊維の生理作用。食物繊維は、胃の中で水分を吸ってかさを増やし、食物が留まる時間を長くするので満腹感を得やすくなります。糖質の吸収を緩やかにし、血糖値の上昇を抑えます。コレステロールの低下作用もあります。過食で肥満という状態で、糖質を摂ったときにグリセミック指数(ある食物が体内で糖に変わるスピードを表わす指数)が高いと、血糖値が上がり、当然インスリンの分泌が多くなります。インスリンにはグルコース(ブドウ糖)を各組織に取り込ませるという作用がありますが、それだけでなく脂質合成、コレステロール合成を促進する作用もあります。グルコースは脳にも体にも使われる、すべての細胞の食べ物ですが、これは具合の悪いことに、還元糖なんですね。還元性を持っている、つまり反応性を持っているわけですよ。だから、危険なんです。

―なぜ、危険なのですか。

森田 還元性を持った糖が血液中に通常な濃度でなく高い濃度で存在すると、塩基性アミノ酸と勝手に反応を起こす。典型的な例として、糖尿病を患った人がよく白内障になるでしょう。眼の水晶体にはアルギニンという塩基性アミノ酸がたくさんありますから、還元糖が反応しやすいんです。それで、糖尿病の人は白内障になりやすい。体は糖が欲しいんだけれど、血糖値が上がり高い状態っていうのは体にとって危険なこと。それで、食事を摂るとインスリンが出て、どうにか血糖値を下げようとするわけです。ですから、インスリンが出なくては困るわけですが、そのインスリンが大量に出ると、脂質合成が上がる。過食がベースにあって、糖分たっぷりで血糖値の上昇が激しいものを食べていると、当然、肥満になります。肥満になって、問題なのが内臓の脂肪細胞が大きくなること。

太ると脂肪細胞が大型化。悪循環が起こり、糖尿病を引き起こすことになる。

―太ると脂肪細胞の数が増えるのではなく、細胞一つ一つが大きくなるのですか。

森田 そうです。脂肪細胞のサイズが正常より数倍も大きくなってくる。以前は脂肪細胞は何の活性もないとされていましたが、アディポサイトカインという脂肪細胞から分泌される生理活性物質が、体にさまざまな影響を与えていることが明らかになっています。脂肪細胞が大きくなると、アティポネクチンのような体に有用な物質が減り、TNF-αのような有害とされる物質が増えるのです。また、脂肪細胞が大きくなるとどういうことが起こるかというと、脂肪が大量に作られ、大量に分解され、血液中の遊離脂肪酸濃度が高くなる。

―すると、どうなるのですか。

森田 血液中の遊離脂肪酸濃度が高くなること自体がインスリンの危機に陥ることになるのです。細胞がエネルギーを獲得するときには、糖質を使うわけですが、脂や糖を摂って血糖値がぐんと上昇したとき、抑えようとしてインスリンが出ます。ところが、血液中に遊離脂肪酸が多いと細胞が遊離脂肪酸を取り込んでしまう。つまり、糖と遊離脂肪酸が競合してしまうわけです。肥満で脂肪細胞が大きくなっている人は、血中の遊離脂肪酸濃度が常に高い。だから、インスリンの効き目が悪くなるんですね。すると、体はどう思うか。

―体はインスリンの効き目が悪いと認識するわけですね。

森田 ええ。体は血糖値が高いのはとにかく嫌なわけですから、インスリンをもっと、もっとと出す。インスリンがたくさん出るわけですから、確かに血糖値は下がります。けれど、片方ではインスリンが出るほど脂質合成が促進されることになるわけです。すると、どうなるか。脂肪細胞の大きいメタボリック・シンドロームの人が過食すると、もっと脂肪細胞が大きくなり、もっとインスリンの効き目が悪くなり、もっと遊離脂肪酸が出て、もっとインスリンの効き目が悪くなる。こうした悪循環が続き、ある時、もうこれ以上インスリンが作れないという状態になり、食後に上がった血糖値が下がらなくなってしまう。これをインスリンの抵抗性が上がったといいます。太って脂肪細胞が大きくなると、血液中の遊離脂肪酸濃度が高くなり、そのことがインスリンの効き目を悪くして、インスリン抵抗性を上げるようになる。体はインスリン抵抗性が上がると、インスリンを出そうとする。けれど、いつか出せなくなる。そう、糖尿病が顕在化するわけです。そこで期待されるのが、食物繊維の摂食中枢をコントロールする、脂肪細胞の促進を抑えるといった作用です。

サイリウムは飲みやすく、効果が現われやすく、老人性弛緩性便秘にもいい。

―食物繊維には水溶性と不溶性がありますが、どちらのほうが。

森田 両方摂るのがいいですね。そこで注目されるのがサイリウム。水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方含み、発酵されにくいのが特徴です。腸内細菌による分解速度が遅く、保水性が高いので大腸の肛門に近いところまで水を抱える能力を持ち、腸内で膨らみ糞塊を包み込みます。私もサイリウムを摂りますが、便器に座った途端に便がするりと出ますね。それも驚くほど大量に。お腹に力を入れて便を出したという充実感が味わえず物足りないくらい(笑)。いきまなくてすむから、腹圧もかからず、痔になることもありません。サイリウムは非常に排便を楽にさせるものですね。

―トイレでいきむのはよくないのですか。

森田 いきんで腸圧を高めると、大腸憩室症を引き起こすことに。45歳以上になると大腸憩室が1個や2個はあると言われています。年配の人は、寒いトイレでいきんで急激に血圧が上がり、倒れてしまうといったことも。特に、老年性弛緩性便秘にはサイリウムはいいでしょうね。年をとると大腸の運動機能が弱くなり、腸内の便の滞留時間が長くなるので便が臭くなります。そうした人は、飲みやすく効果の出やすいサイリウムを利用するのもいいと思います。また、ウォーキングなど運動して腹筋を鍛えることも大切です。

―サイリウムは効果が認められているものなのですね。

森田 日本薬局方に入っているというのは、効果が高いからです。医薬品としても使われているのですから、効果は確実ですよね。便秘大国のアメリカでサイリウムは、スタンダードなものとなっています。アメリカの食卓には調味料のようにサイリウムを入れた瓶が置かれていますからね(笑)。

―日本ではサイリウムは特定保健用食品として認められています。

森田 特定保健用食品でサイリウムのように整腸作用がある、コレステロールを低下させると二つの効果が認められているものは他にはないんじゃないですかね。

―大変勉強になりました。ありがとうございました。

パトス Vol.55 2009.1.10発行
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