健康講座
元気なからだづくりを心がけよう
先ごろ発表された2001年の日本人の平均寿命は、女性が84.93歳、男性が78.07歳と、過去最高を更新しました。
一方、日本人の健康寿命は女性が77.2歳、男性が71.9歳(2000年)。調査年が違うため単純に比較できませんが、平均寿命と健康寿命との間には、女性で約7.7年、男性で約6.1年の開きがあります。
この差を縮めること=健康寿命をのばすためには、日々、健康管理を行い、老化や病気に負けない体づくりを日頃から実践することが肝心です。
健康な体づくりのための栄養摂取について取り上げた前号に続いて、今号では、老化や病気の予防という観点からカギを握る栄養成分にスポットを当てました。毎日の健康管理にお役立てください。
※健康寿命とは…平均寿命が生存期間という「生きている年月」だけを測定しているのに対して、「生活の質」にも目をむけ、心身ともに健康に暮らせる期間を表した指標。
- 取材協力・監修
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岡本 正志 先生
神戸学院大学薬学部助教授。学術博士。日本ビタミン学会、生化学会、薬学会に所属。
CoQ10研究の権威であるテキサス大学カール・フォーカース教授、神戸学院大学・紀氏健雄教授に師事。両教授とともにCoQ10について長年研究。心筋細胞にCoQ10を処置し、その拍動が増強することを確認した研究が有名。CoQ10の国際的な学術団体であるlnternational CoQ10 Associationにも所属している。
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老化に負けないからだづくりはビタミン&ミネラルの補給がカギ。
栄養摂取の基本
「備えあれば憂いなし」の実践が、ビタミン・ミネラルの摂取の基本。
- 毎日きちんと摂取して日頃から健康づくりを。
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前号でご紹介したとおり、老化のひとつのとらえ方として、代謝が減衰していくことがあげられます。体の細胞を日々新しくつくり変える「新陳代謝」に、臓器や器官を動かすエネルギーとなる「エネルギー代謝」。これらの代謝がスムーズに行われなくなると、身体機能が低下したり、病気にかかりやすくなってしまいます。
代謝と深く関わっているのは、食生活であり、栄養素です。なかでも現代人に不足しているのはビタミンとミネラルです。新陳代謝やエネルギー代謝は毎日行われているものですから、ビタミン・ミネラルも、毎日しっかりと摂取しなければなりません。
本来、ビタミンやミネラルは人に必要な栄養素です。決して活力剤のようなものではありません。「シワが増えてきたからビタミンCを摂ろう」などと対処療法的に考えるのではなく、日頃から十分に摂取して体をいつも健康な状態に保つという考え方が基本です。「備えあれば憂いなし」。その実践によって毎日の元気がつくられるだけでなく、老化や生活習慣病を予防し、健康寿命をのばすことにもつながります。
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ビタミン・ミネラルとは
三大栄養素がスムーズに働くようにサポートする栄養素。
- 体内の酵素の働きを手助けする役目を担う。
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ビタミンもミネラルも食物に含まれている微量栄養素です。ビタミンは有機化合物、ミネラルは無機質(鉱物)である点が違いますが、共通しているのは、一部を除いてビタミン・ミネラルは人の体内で合成できず、食物などから常に摂取する必要がある点です。
人に必要な栄養素の中でとくに大切なのが「三大栄養素」―糖質(炭水化物)たんぱく質・脂質(脂肪)です。これら栄養素はそれだけでは体内でうまく働くことができません。私たちの体内では、数千種類に及ぶ酵素によってさまざまな化学反応が起こっていますが、この酵素の働きをビタミン・ミネラルがサポートすることで初めて、消化・吸収された糖質・たんぱく質・脂質は体内で活用される物質へと変化します。つまり、ビタミン・ミネラルが十分でないと、せっかくの栄養素が体内できちんと使われなくなるばかりか、体に不調を来したり、肥満や糖尿病、高脂血症といった生活習慣病の原因となるわけです。
- 不足を補うサプリメントは現代人の強い味方。
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現代人は三大栄養素が過剰気味といわれています。その反面、三大栄養素を活用するために必要なビタミンやミネラルは、欧米型の食生活の浸透をはじめ外食やインスタント食品による栄養のアンバランスなどから、どうしても不足しがちになります。
このようにビタミン・ミネラルの不足が避けて通れない環境に置かれている私たちにとって、サプリメントの利用はもはや欠かせません。サプリメントは、健康な体をつくるために頼りになる心強い味方です。
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ビタミンの働き
エネルギーづくりを助けるとともに、抗酸化作用を発揮。
- 水溶性と脂溶性の2つに分類されるビタミン
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ビタミンは、それ自体がエネルギーになったり、体をつくる材料となる栄養素でありませんが、他の栄養素の働きをスムーズにする作用を持っています。現在、ビタミンには、A・B群・C・D・E・Kがあり、B群の8種類をあわせて全部で13種類。A・D・E・Kは油に溶ける脂溶性ビタミン、B群・Cは水溶性ビタミンです。
水溶性ビタミンは過剰に摂取しても排泄されるので、たくさん摂っても害はありません。一方の脂溶性ビタミンは体内に蓄積されるので、摂りすぎると頭痛などの過剰症が出ることがあります。通常の食生活では過剰症の心配はいりませんが、サプリメントで大量に摂る場合には、摂りすぎに注意します。
次に、老化や生活習慣病の観点から、一般にいわれているビタミンの働きを見てみます。ビタミンの重要性をもう一度確認しましょう。
- 発がん抑制効果が確認されているビタミンA。
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ビタミンAは夜盲症や疲れ目などを防ぐほか、皮膚や粘膜、胃腸・肺・気管支などを覆う上皮組織を健康に保つ役目を担います。注目したいのは、がん抑制効果。発がんを抑えることが研究によって確認されています。また、体内でビタミンAに変化するもののひとつにβ‐カロチンがあります。これは体内で必要量だけビタミンAに変化するとともに、ビタミンAに変わらずに体内に蓄積されたβ‐カロチンには抗酸化作用があり、老化やがん、心臓病の予防などに効果があるとされています。
- エネルギー産生を助けるビタミンB群。
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ビタミンB群には、B1・B2・B6・B12・ナイアシン・パントテン酸・ビオチン・葉酸の8種類があります。これらはお互いに影響しあいながら働きます。そのため「B群」として一緒に摂ったほうが効果が期待でき、多くのサプリメントはB群がまとめて配合されています。
ビタミンB群の最大の役目は、生きていくうえで必要なエネルギー産生を促すことです。B1は糖質の代謝を助けますので、エネルギーの多くをご飯などの「糖質」に頼っている日本人にとって重要なビタミンです。
B2は脂質の代謝を助けるとともに、体内で過酸化脂質が生成されるのを防ぎます。過酸化脂質は老化や動脈硬化を進行させる有害物質。B2をしっかり摂ることで、老化や動脈硬化、さらには心疾患、高血圧など生活習慣病の予防が期待されています。
- 一緒に摂るとより効果的なC・Eの抗酸化作用。
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ビタミンC・Eはともに「抗酸化ビタミン」とも呼ばれています。抗酸化とは、老化やさまざまな病気の原因のひとつに考えられている「酸化」を防ぐ作用。その横綱格がビタミンEで、脂質の酸化を抑え、老化や生活習慣病の予防につながるといわれています。
一方のビタミンCにはビタミンEの抗酸化作用を高める働きがあるため、CとEは一緒に摂るようにしましょう。また、β‐カロチンやビタミンはそれぞれ独自の抗酸化作用を持っていますので、あわせて摂取するとよいでしょう。
ビタミンCには抗酸化作用のほか、コラーゲンの合成に関わって血管や各種器官を丈夫にする働きがあります。シミのもととなるメラニン色素の生成を抑えることも知られています。
このほかビタミンDは、カルシウムの代謝を助け、歯や骨を丈夫にします。血液凝固の必須成分であるビタミンKも、骨を丈夫に保ちます。骨粗鬆症の予防に有効で、治療薬としても認可されています。ただし、血栓症の人や血液抗凝固剤を服用している場合はビタミンKの摂取量が制限されますので注意が必要です。
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ミネラルの働き
体の機能の維持・調節に大切な役割を果たす。
- ビタミン同様、微量でも健康に欠かせない栄養素。
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ミネラルは体の機能の維持や調節を行う栄養素。ビタミンが炭素や水素などの元素からつくられているのに対して、ミネラルは元素そのものです。ビタミンと同じように、微量でも私たちに欠かせない栄養素です。主なミネラルとしては左図のようなものがあげられます。
ミネラルは、バランスよく摂取することが大切です。バランスが崩れるとだるい、疲れやすいといった症状が現れるほか、がんや糖尿病、心臓病などの生活習慣病の発症につながるといわれています。
- 相互に連携するミネラルはバランスが大切
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ミネラルはお互いに連携しあい、バランスをとりながら作用します。
たとえば、体内で300種類もの酵素の働きを助けるマグネシウムは、筋肉の収縮に関わっているカルシウムの働きを調節しますが、カルシウムの摂りすぎはマグネシウムの吸収を妨げます。カリウムとナトリウムも連携しあって作用しますが、2つのバランスが崩れてナトリウム過剰・カリウム不足に陥ると高血圧を招き、心臓病や脳卒中の一因ともなります。
このようにミネラルは、お互いが協力しあって作用すると同時に、一方が増えすぎるともう一方が減ってバランスが崩れます。摂取量に偏りがあると、お互いの働きが低下します。ビタミンと違って、体に有効な量と害を与える量との幅が狭く、適量をバランスよく摂取するのが意外に困難です。そのためミネラルは多量に摂取するのではなく、食事を改善して必要なミネラルを摂り、不足するものを中心にサプリメントで補うようにするとよいかもしれません。
- Message from Dr. ビタミン・ミネラルの摂取方法
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岡本 正志 先生
ビタミンやミネラルは酵素の働きを助ける「補酵素」です。毎日活躍する栄養素ですので、体に何か変調が出てあわてることのないように、日頃から摂取・補給して生体機能の維持・向上を図るようにします。老化や病気の予防・改善のためには、薬を飲んだり適度に運動することと同じように、食生活もとても大切なもの。その中で自らの食生活を振り返ってみて、必要に応じてサプリメントを利用し、元気でいきいきとした毎日が送れるよう心がけましょう。











